背景
医療では、人は救えないんだよ。エピクロスの処方箋

©︎五十嵐大介

背景 スピノザの診察室
水鈴社 「エピクロスの処方箋」 夏川草介 「エピクロスの処方箋」 現役医師が描く、人の命と幸福について
2024年本屋大賞第4位&京都分大賞受賞の感動作「スピノザの診察室」の続編、遂に刊行!治せない病気は山のようにあるが、癒やせない哀しみはない。思想する医師・雄町哲郎は今日も京都の街をゆく──。
あらすじ
あらすじ STORY
医療では、人は救えないんだよ

大学病院で数々の難手術を成功させ、
将来を嘱望されながらも、
母を亡くし一人になった甥のために
地域病院で働く内科医の雄町哲郎。

ある日、哲郎の力量に惚れ込む
大学准教授の花垣から、
難しい症例が持ち込まれた。
患者は82歳の老人。

それは、かつて哲郎が激怒させた
大学病院の絶対権力者・飛良泉寅彦
教授の父親だった──。

※シリーズですが、本作単体として
お楽しみいただけます。

人物相関図
全国の書店員さんの声 VOICE
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    福岡県

    紀伊國屋書店 久留米店 池尻真由美様

    今作も生と死について、丁寧に綴られていた。マチ先生が語る言葉が、深く心に響く。著者が現役の医師であるからこその重みを強く感じる。現場のリアルと人間らしさが滲んでいた。医療の奥深さを思う。患者と真摯に向き合うマチ先生に、最期を見届けてもらえるのなら、どんなにか心強いだろう。 幸せとは何かをあたたかな視線で、静かに語りかけてくる物語。 涙無くしては読めない、慈愛に満ちた美しい医療小説。

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    福岡県

    紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子様

    私にとって本作は、表裏一体である生と死の道をそっと見守ってくださる、温かなまなざしに包まれる物語であり、自身の気持ちを見つめ直し、笑顔になれる心を探し続けていくような、ヒーリング・フィロソフィー小説でした。 ラストの一文が、確かな勇気の光を帯びて、やわらかく煌めいています。 読み終えた後、明日への希望が込められた、ほほえみの明かりに、心身を照らされました。

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    福岡県

    福岡金文堂 志摩店 伊賀理江子様

    『エピクロスの処方箋』のような残りのページが減るのが寂しい、と感じる作品が好きです。大切に味わいました。 生と死を分けて考えるのではない、病気の箇所ではなく患者を守ること、マチ先生の思いに胸が震えました。 ひとの人生を尊重していることが強く伝わりました。 『エピクロスの処方箋』はこころに沁み込むような物語です。 最近では少し珍しい、ゆったりとした読書時間を経験できる貴重な作品だと思いました。

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    福岡県

    福岡金文堂姪浜南店 小野聡史様

    前作『スピノザの診察室』を読んでなかったのですが十二分に楽しめました。 飛良泉先生や西島先生をただ嫌な人と描写するのではなく、自分の信念を持ってマチ先生のことを批判する姿勢に好感も持ちました。 マチ先生の「本当に大切なのは、目の前にいる人が今を笑顔で過ごせること」という医師はなんのために患者を診るのかということに尊敬の念を抱きました。 裏表紙のナポリタンがとても美味しそうに書いてあったので次の休みはナポリタンを食べに行きたいです。

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    福岡県

    やず本や 益田穂乃実様

    読み終わりたくない、ずっとこの物語の中に浸っていたい、と心から思えたあたたかな物語でした。 京都のお菓子や街並みの描写もとても素敵で、京都に行ってみたくなりました。 『神様のカルテ』の時も美しい長野の風景を印象的に描かれていて、舞台となる土地の風景描写は夏川さんの小説の大きな魅力だと感じました。

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    鹿児島県

    紀伊國屋書店 鹿児島店 坂口まり子様

    幸福って、凪いだ風やパラパラと降る小雨のようです。 フッと風に吹かれたり、体にかかる雨粒を感じるように、「あぁ今幸せだな。」と思える瞬間の積み重ねが幸福な人生といえるのではないかと、この小説を通じて自分なりの答えに辿り着きました。 日常のあらゆる場面にそっと存在している幸せの小さなカケラに気付けるか否か、幸福に生きるためには優しい眼差しを持つことが不可欠だと、マチ先生に教えられました。

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    大分県

    明屋書店 豊後高田店 後藤理恵様

    相変わらずのマチ先生たち原田病院の方々や、花垣先生たちも好きなのですが、強烈な印象を受けたのは飛良泉教授です。マチ先生への当たりの強さと、繰り出されるイヤミ(わかりやすいほどの意地悪!)はほんとムカつくほどなのですが、何よりも医療や患者に対しての真剣さが故のことで、読んでいく内に嫌いになれない、と思わずにはいられませんでした。優しい気持ちで物語を読み終えることができました。前作同様、めっちゃ売りたいです!!

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    沖縄県

    HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎様

    マチ先生の「医療では人は救えない」という言葉に、はっとさせられた。諦めでも言い訳でもなく、人を幸せにするための医療を目指すという覚悟を持った言葉だと思ったからだ。 医者が相対するのは患者ではなく人であり、人に敬意を持って接する。そういった姿勢をつねに実践し続けるマチ先生の姿に深い感動を覚えた。

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    長崎県

    TSUTAYA ココアドバンス大村店 松村麻沙美様

    あっという間に物語に夢中になりました。 読み終えて改めて「医師」という職業が本当に尊く、ありがたい存在だと感じました。それと同時に「医師」にも家族がいて、家庭がある。自分達と同じ1人の人間なんだということにも改めて気付かせてもらいました。 迷いながらも自分なりに歩み続けて、人と向き合い、一緒に頑張ってくれるマチ先生が紡ぐ言葉だからこそ、たくさんの人の心に多くのものを残してくれるんだと思います。

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    福岡県

    福岡金文堂 行橋店 富山未都様

    『スピノザの診療室』のときは、この作品は医療ものである、という意識を持って読んでいましたが、『エピクロスの処方箋』を読み終えた今、このシリーズは、わたしたちひとりひとりが世界に対してどんな態度をとっていけばいいのか。そういう、生き方を示してくれる作品。ジャンルでは括れない、もっと大きな作品だったのだな、と感じています。

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    宮崎県

    明林堂書店 浮之城店 大塚亮一様

    「医療では人は救えないんだよ」というマチ先生の言葉の後に語られる、ある一言に医療のみならず、人が生きてそして死にどう向き合えばよいのかまでを教えてくれる。 現代の終末医療や医師不足の問題点などシリアスなシーンの中にもマチ先生が患者さんと向き合う姿に心打たれ、大学病院・地域医療の在り方を考えさせられ、人として生きていくそしてどう死を迎えるか、また人との繋がりについても教えてくれる新たな一歩を踏み出す勇気をくれる作品。

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    福岡県

    TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華様

    マチ先生だからこそ見える世界に、読者である私の視野も広がり、生きること、死ぬことについて、一緒に考えることができる。 患者さんとそのご家族にとっての幸せはなにか。治療を続けることだけが幸福に繋がるのか?生と死を真っ直ぐ見つめる、マチ先生の考え方に胸を打たれました。 これから先、自分の家族や友人が病気になってしまった時、自分自身が選択を迫られた時、きっとマチ先生のことを思い出すはず。 これからを生きるヒントになる一冊。

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    熊本県

    TSUTAYA AVクラブ 植木店 K様

    様々な患者とのやり取りや、手術や治療に関する細かい描写もすごかったのですが マチ先生と甥・龍之介とのやりとりが、やさしくてあたたかくなるような こころが溶けていくような感じがしてとても素敵でした。

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    福岡県

    六本松 蔦屋書店 峯多美子様

    先の見えない状況の中で、己の無力さを痛感しても、今何ができるのかを必死に考える。そして決して絶望しない、スピノザのように。心に柔らかい燈灯す希望の書。

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    福岡県

    明屋書店 豊前店 加来智美様

    マチ先生と再会できてすごく嬉しいです。原田病院の個性的な面々も、大学病院にいる先生たちも、背景にいろんな事情を持ちながらも究極のところでは「人間としての」患者さんのために動いていて、清々しく思いました。 そして、精神安定剤代わりの金平糖! 金平糖ってすごくおいしそうと思ったのは初めてです。甘いものって食べると幸せな気持ちになりますよね。そんなマチ先生の健康にまで気を使う龍之介くんの成長っぷりも素敵です。

読者の皆様へ MESSAGE

著者 | 夏川 草介

「幸福」とは何か。

本書の主題は、前作『スピノザの診察室』と同じく、この問いの中にあります。

幸福に生きるとはどういうことか。幸福は環境が与えるものなのか、それとも自分の力で生み出すものなのか。幸福と快楽とは何が異なるのか。

これらの問いが私の中で年々重みを増しているのは、臨床現場で様々な命の在り方に出会うからかもしれません。無論、容易に答えが出るものではありませんが、思索の旅を少しずつ前へと進めています。

古代ギリシャの哲学者エピクロスは、快楽主義の祖と言われる人物ですが、この問いに、実に簡潔な答えを示しました。

それは、心に悩みがないことと、肉体に苦痛がないこと。彼が提示したこの素朴な条件に、私はもう一つだけ付け加えます。
すなわち「孤独ではないこと」。

多様性の名のもとに、人と人とのつながりが断ち切られ、互いに歩み寄ることが難しくなりつつある現代だからこそ、この物語が多くの人の足下を照らす、温かな灯火となることを願っています。

【著者プロフィール】

夏川 草介

なつかわ そうすけ

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第2位となり、映画化された。他の著書に、世界40カ国以上で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著者が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』、2024年本屋大賞第4位、京都本大賞を受賞した『スピノザの診察室』など。

夏川草介『エピクロスの処方箋』を語る 別タブアイコン

担当編集者より

哲学的な問いを内包していますが、ページを捲る手が止まらない極上のエンターテインメント小説です。
最高に面白くて、深く考えさせられて、前向きな気持ちになれる──。今の水鈴社が理想とするような作品となりました。

本シリーズは映画化も決定しており、今後たくさんの素敵なお知らせができそうです。令和を代表する医療小説シリーズとして多くの読者の方々にお届けできれば幸いです。

水鈴社 代表取締役 / 編集者

篠原一朗

「エピクロスの処方箋」

EPICUREAN PRESCRIP

書籍情報

定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
ページ数: 360ページ | 体裁: 四六判 上製
装丁:名久井直子 | 絵:五十嵐大介
発売日:2025年9月29日
ISBN:978-4-910576-05-3 | Cコード:0093

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